ブログ › EQを初めて触る方のための基礎ガイド
2026-05-14 · 約 5分 オーディオ EQ 音楽
音楽を聴いていて「もう少し低音が欲しい」や「ボーカルがもっとクリアに聴こえたら」と感じたことはありますか?イコライザー(EQ)は、まさにその調整を可能にするツールです。録音編集、ポッドキャスト制作、個人の音楽ミキシングで欠かせない基本ツールですが、初めて見ると数十本のスライダーに途方に暮れてしまいます。
難しく考える必要はありません。周波数帯域ごとにどんな音が入っているかを知るだけで、目的の音を見つける道が開けてきます。
EQとは何か
EQ(イコライザー)は音を周波数帯域別に分けて、各帯域の音量を上げたり下げたりするツールです。音は波動であり、波動の振動速度が周波数(Hz)です。周波数が低いほど低音(ベース)、高いほど高音(トレブル)になります。人間が聴ける範囲はおおよそ20Hz〜20,000Hz(20kHz)です。
EQはこの範囲を複数の区間に分け、各区間の音量を調整します。スライダーを上げるとその周波数帯域が強調され、下げると小さくなります。単位はdB(デシベル)です。
周波数帯域ごとの音の特性
60Hz サブベース — 響き・空間感。キックドラムの「ドン」、ベースギターの最低音。上げすぎると音が潰れてスピーカーが歪みます。ヘッドフォンではほとんど感じられません。
200Hz ベース — 温かさ・厚み。音楽の重さを作ります。上げると温かく厚くなり、下げると薄く軽くなります。過剰にすると音が濁ります。
500Hz ローミッド — ボディ感・中低音。ギターやピアノの胴体の音。この帯域が過剰だと音が「箱の中にいるように」こもって聴こえます。少し下げるとミックスがクリアになることが多いです。
1kHz ミッド — ボーカル・中音域。人の声が最も集中している帯域です。上げるとボーカルが前に出て、上げすぎると刺さるような疲れる音になります。
3kHz ハイミッド — 明瞭さ・存在感。ボーカルを聴きやすくしたりギターのピッキング音を強調するときに使います。過剰だと耳が疲れ、金属的な音になります。
6kHz プレゼンス — 鮮明さ・歯擦音。子音の「s」「z」音やスネアの鋭い音がここにあります。上げると鮮明になりますが、過剰だと「s」の音が耳に刺さります。
12kHz トレブル — 空気感・高音。シンバルの輝き、アコースティックギターのきらめき。上げると音楽が明るく生き生きしますが、過剰だと耳が鋭く疲れます。
初心者のためのEQアプローチ
最初は「何を上げようか」より「何を下げようか」を先に考えるのが良いでしょう。すでにある音を上げると歪みや疲労感が生じますが、不要な帯域を下げると全体のバランスが自然に整うことが多いです。
💡 ボーカルが聴こえにくいとき:1kHz〜3kHzを+2〜3dB上げるか、200〜500Hzを少し下げて中低音の濁りを減らしてみてください。
💡 音が刺さって疲れるとき:3kHz〜6kHzを−2〜4dB下げてみてください。
💡 ベースが濁ってこもるとき:200〜500Hzを−2〜3dB下げ、60Hzはそのままか少し下げてみてください。
💡 全体的に明るく生き生きさせたいとき:10〜12kHzを+2〜3dB上げてみてください。
EQ調整に正解はありません。同じ設定でも音源やスピーカーによって聴こえ方が変わります。少しずつ調整してA/B比較(修正前後を繰り返し聴き比べる)しながら耳で確認する習慣が最も重要です。
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